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2005.04.25

安全神話の崩壊

福知山線の事故について云々は書きたくないのですが,鉄道・航空・原子力関連で事故が起こるたびに,マスコミが使う「安全神話」という言葉について。
まぁ,崩壊以前の問題として,つい先日も宿毛駅で事故があったばかりなのに,未だに「安全神話」などという寝言を言っているマスコミの感覚が信じられないんですが。

鉄道の安全というと,鉄道関連の安全講習では,必ずと言っていいほど出てくる,安全綱領というものがあります。

安全の確保に関する規程(管理規程)
(昭和39,4 総裁達第151号)

     綱   領
1. 安全は,輸送業務の最大の使命である。
2. 安全の確保は,規定の遵守及び執務の厳正から始まり,不断の修練によって築きあげられる。
3. 確認の励行と連絡の徹底は,安全の確保に最も大切である。
4. 安全の確保のためには,職責をこえて一致協力しなければならない。
5. 疑わしいときは,手落ちなく考えて,最も安全と認められるみちを採らなければならない。


安全というのは日々の積み重ねであって,絶対の安全などというのは存在しません。
安全性が高いということが,絶対に事故が起こらないということには結びつくわけでもありません。
そのことをマスコミが理解できないのか,意図的に無視しているのかは知りませんけどね。

しばらく事故が起きていないことを勝手に「安全神話」と呼び,ひとたび事故が起これば「安全神話の崩壊」と騒ぎたてる。
マスコミのマッチポンプは今に始まったことではありませんが,影響力の大きさを悪用しているとしか,思えません。

国鉄なんて民営化したんだし,民鉄はどうなるんだ,ということであれば,次の省令に同じことが書かれています。
運転の安全の確保に関する省令

言うまでもなく,鉄道で「最も安全な取扱」は列車を止めることです。
しかし列車を止めて1分でも遅れが生じれば乗客から苦情が来る。
保安装置が動作して事故を未然に防いでも,事故の危険性があったと言ってマスコミが騒ぎ立てる。
これらの「社会全体の安全意識の低さ,思慮の浅さ」が事故の根底にあるように思えます。

事故の原因については,航空・鉄道事故調査委員会の調査報告を待つしかないわけですが,すでにマスコミは事故の原因を憶測して,経営陣のつるし上げを始めています。
事故後に最も大切なことは人命の救助,そして経営陣が状況を把握することなんですが,マスコミが好奇心でその邪魔をしているようにしか見えません。

地上では救助活動で生存確認をしているというのに,上空にヘリコプターを飛ばして騒音を立てる。
現場からのレポートと称して,救出作業の邪魔をする。
鉄道工学の知識すらない「評論家」を呼んで,(マスコミでも理解できる)判りやすいコメントを言わせる。

結局,マスコミの馬鹿さ加減を再認識させられただけのような気がします。

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» 国鉄の安全綱領 [だんなの屋根裏部屋]
国鉄には「安全綱領」として何よりも優先されてきた理念があったことはご存知でしょうか。当時の国鉄では職員は安全綱領を常に携帯し、仮に総裁が命令しようとも安全確保のためには運転手も命令拒否を厭わなかったそうです。以下に引用します。 1.安全は、輸送業務の最大の使命である。 2.安全の確保は、規程の遵守及び執務の厳正から始まり、不断の修練によって築きあげられる。 3.確認の励行と連絡の徹底は、安全の確保に最も大切である。 4.安全の確保のためには、職責を超えて一致協力しなければならない。 5.疑... [続きを読む]

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